転職しようと思った時に、どうやって転職活動を進めていけば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。
・転職サイト
・転職エージェント
・ハローワーク
選択肢は様々ありますが、多くの人が利用するのは気軽にネットから転職活動を始められる転職サイトか転職エージェントではないでしょうか。どちらも多くの企業がサイトを運営していますが、結論から言うと、ほとんどの人は転職サイトよりも転職エージェントを利用した方が良いです。本記事では、なぜ転職サイトよりも転職エージェントの方がおすすめなのか、双方のメリットやデメリットなどを解説していきます。転職サイトと転職エージェントのどちらを利用すれば良いか迷っている人は、是非参考にして下さい。
転職サイトはおすすめしない!転職サイトの意外な落とし穴
転職サイトの落とし穴とは、求人数の多さから希望の仕事を見つけるのがとても大変だということです。一見すると転職サイトは運営している企業も多く、更に求人数も豊富に扱っているため、仕事が選びやすかったり見つけやすいように感じるでしょう。しかし、実際は転職サイトは1人で転職活動をしなければならないのに多いところでは10万件ほどの求人の中から希望の仕事を探さなければなりません。確かに絞り込み検索などである程度の求人を絞ることはできますが、それでも数千件、数百件のなかから1つずつ希望の仕事がないのか探していくのは、骨の折れる作業です。そしてあまりにも多くの求人をみていると、応募する企業を見つけるのを急いでしまい、ちゃんとした判断ができずにミスマッチな企業に就職してしまう可能性もあるでしょう。求人の豊富さや手軽さがメリットのように感じますが、実は大きな落とし穴ともなるのです。
転職サイトと転職エージェントの違い
転職サイトと転職エージェントは、どちらも転職活動をするために利用するものですが、全く違う機能がいくつかあるのです。お互いの比較を以下にご紹介します。
転職サイト
WEBサイトを閲覧して、任意で応募をするサービスです。自身で求人の閲覧や応募をおこなうため、自分のペースで満足いくまで案件を探すことができます。また、ほとんどの転職サイトでは様々な職種や業種が掲載されているため、比較検討も十分にできるでしょう。
転職エージェント
転職エージェントは対人型のサービスを提供しています。呼び方は運営している企業により異なりますが、「キャリアアドバイザー」「キャリアカウンセラー」などという名前の転職活動をサポートしてくれる人が在籍していることが特徴です。キャリアアドバイザーが担当としてサポートをしてくれることにより、転職に不慣れな人や自信のない人は精神的にも楽になるでしょう。また、非公開求人があるのも転職エージェントならではの特徴です。転職エージェントでは求人の閲覧をすることができますが、運営会社の抱えている求人はそれだけではありません。基本的にほとんどの転職エージェントでは閲覧できる求人に掲載されていない非公開求人があります。この非公開求人はキャリアアドバイザーからの紹介でのみ知ることができます。そのため、登録した転職エージェントの独占案件や、なかなか見つからないような優良企業の求人を紹介してもらえることもあるのです。
転職サイトのメリット
転職サイトを利用するメリットを整理します。
自分のペースで転職活動ができる
転職サイトでは、個人で閲覧から内定までの全てを行うため、自分のペースで転職活動ができます。転職をしたい人の中には、すぐにでも転職したい人もいれば、良いところが見つかるまでは行動をしたくない人もいるでしょう。そんな場合でも、急かされたりすることなくマイペースに転職活動を進めることができます。逆に転職を急いでいる場合も、自身の行動量次第では1週間以内など、早いテンポで見つかることもあるでしょう。
時間を無駄に取られない
転職サイトの利用は隙間時間で効果的に行うことができます。まとまった時間をとることが難しい社会人にとって、隙間時間で転職活動をおこなえるのは大きなメリットとなります。
転職サイトのデメリット
転職サイトを利用する上で気になるデメリットを整理します。
応募後は直接企業とやりとりをする
転職サイトを経由して行うのは応募までです。その後、求職者は企業とやりとりをして面接日程を決定します。
競争率が高いことも
当然ながら、人気の高い企業ほど競争率は高くなります。競争率が高いということは、応募者の中で選考される可能性が出てくることもありますし、応募した時にはすでに定員オーバーとなっていることもあるでしょう。
サポートがないため孤独を感じやすい
サイト選びから内定をもらうまでサイト側からのサポートはありません。
転職サイトの利用をおすすめできる人とできない人
転職サイトにはメリットやデメリットがありますが、それは利用する人によっても変わるでしょう。転職サイトの利用をおすすめできる人・できない人をそれぞれご紹介します。
おすすめできる人
転職サイトの利用をおすすめできるのは、自分のペースで転職活動をしたい人や、ゆっくり転職活動をしたい人です。転職サイトには時間の縛りが特になく、気が向いた時に閲覧したり応募することができます。そのため、「なんとなく今の会社から転職したいかも」という軽い気持ちでもとりあえず登録をしておくことも可能です。また、検索したからすぐに良い求人が見つかるとは限りません。企業の掲載と求職者がみるタイミングがたまたま一緒でなければより良い求人は見付からないでしょう。このようなタイミングを自由に選択したい人は、転職サイトの利用をおすすめできると言えます。
おすすめできない人
転職活動に慣れていない人や、初めての人、面接や書類選考が苦手な人は転職サイトの利用は避けたほうが良いです。先程もお伝えしたように、転職サイトでは他者からのサポートはなく、転職活動をイチから自分でおこなわなければいけません。そんななか初めての転職活動や慣れていないなどの場合は不安が大きく焦りばかりで正しい判断ができない可能性もあるでしょう。他にも書類選考・面接対策などのサポートもないため、もし内定をもらえなかった場合、1人では自分のダメなところや改善すべきところに気付けないことが多いです。このような人は転職サイトではなく、サポートが充実している転職エージェントのほうが向いています。
転職エージェントのメリット
転職サイト同様、転職エージェントにもメリット・デメリットがあります。メリットについては以下の通りです。
第三者の視点から意見がもらえる
転職エージェントに登録をすると、専任のキャリアアドバイザーから有益なアドバイスをもらうことができます。キャリアアドバイザーは、業界事情に精通している人が多く、求職者にとって有益なアドバイスを提供してくれます。平均年収や向いている仕事の紹介などを教えてくれるため、自分のことを理解するという意味でもメリットがあります。
履歴書や職務経歴書の添削をしてくれる
書類選考が苦手な場合、履歴書や職務経歴書の添削をしてくれるというのは嬉しいポイントです。なぜかわからないけど書類選考で落ちることが多かった人はアドバイスをもらって書き直してみるといいでしょう。また、得意と思っていてもプロに見てもらう必要があります。自分では大したことがないと思っていた経験が大きな評価ポイントになり得る場合があります。
面接対策をしてくれる
面接はほとんどの人が苦手意識を持っていると思います。転職エージェントでの面接対策は、運営会社や担当によっては面接先の企業の特性を理解している場合もあります。その場合、その企業ならではの面接対策もしてくれるため、内定する確率は格段にあがるでしょう。
非公開求人の紹介
非公開求人とは、企業側の任意で公開をしていない求人です。非公開求人の多くは優良企業や大企業が多く、転職エージェントの独占求人であることも多いです。企業は転職エージェント側を信用して、いい人を紹介してもらえるよう非公開求人にしていることが多いため、もし担当のキャリアアドバイザーから紹介された場合は能力を認められているとも言えるでしょう。紹介してもらえた場合は、しっかり内容を確認して検討することをおすすめします。
利用するエージェントによってはスカウト機能もある
スカウト機能のある転職エージェントを利用することにより、登録とプロフィールの設定などをしておけば、求人を探さなくても企業側からオファーがくることがあります。スカウト機能のメリットは、企業側からのオファーを待つだけなので転職活動に割く時間を大幅に減らせるというところです。しかし、注意点として、スカウトをもらうためにはそれなりの経験やスキルが必要なこととスカウトの中には全く希望でない求人が紛れていることもあります。
転職エージェントのデメリット
デメリットについては以下の通りです。
自分のペースで転職活動ができない
転職エージェントを利用すると、キャリアアドバイザーとのやりとりが生じるため、自分のペースで転職活動を進めることはできません。そのため、わざわざカウンセリングなどの時間を設けたりしなければいけないため、まとまった時間が取れない時などは不便でしょう。
期間の縛りがあるエージェントが多い
転職エージェントの多くは、期間の縛りがあるところが多いです。もちろん転職エージェント側としては意味があって期間を設けているわけですが、縛りがあるというのは段々焦る原因にもなるでしょう。
キャリアアドバイザーとの相性
求職者とキャリアアドバイザーの相性が悪い場合、転職活動がスムーズに進められません。純粋に人として合わない、などもありますが、希望じゃない職種の求人ばかりを紹介されたり、自分の求めている職種について知識が浅かったりなどがあります。仮に担当者が自分に合っていないと感じたら、運営側に伝えて担当者を変更してもらうことも選択肢の一つです。
転職エージェントの利用をおすすめできる人とできない人
転職エージェントの利用をおすすめできる人・できない人は以下のようになります。
おすすめできる人
転職エージェントは、サポートを受けながらキャリアアップや未経験職種への転職を成功させたい人に利用をおすすめできます。また、履歴書や職務経歴書などの書類や面接に自信がない人も、対策をしっかりしておくことで例え今回内定がもらえなくても次回以降に繋がるスキルとなります。
おすすめできない人
転職を長期的に考えてる人は、期間の縛りがある転職エージェントの利用は不向きです。また、人の意見をあまり聞きたくない場合もエージェントの利用は避けた方が良いかもしれません。転職エージェントでは基本的に担当者がつくため、何らかの意見を言われることがあります。決して文句を言われるわけではありませんが、自分の転職は自分だけで決めたいという人は、他の転職方法を検討しましょう。
転職エージェントの利用で気を付けるべきポイント
転職エージェントの利用で最低限気を付けるべきポイントは
・キャリアアドバイザーの質
・運営会社の求人が自分に合っているか
です。キャリアアドバイザーの質に関しては、業界に詳しく専門知識が豊富な人や親身になって協力してくれる人、連絡が滞りなく取れる人が良いでしょう。ただし、担当はついてみないとなんともいえないため、上記のようなポイントを踏まえて判断し、自分に合わないキャリアアドバイザーだと思ったら他の担当に変えてもらうのが一番良いでしょう。そして、運営会社の求人がどのような内容かというのは、事前に調べておかないと求人を全く紹介してもらえない場合もあります。例えば、20代前半の人がハイキャリアな転職エージェントを利用しても、おそらく紹介してもらえる求人は見つからないでしょう。50代の人が若手の転職に強く未経験歓迎が多い転職エージェントを利用するのも同様です。転職エージェントに登録をする前に、必ず自分の年齢やスキルを確認して、自身に合っているところを選ぶようにしましょう。
最後に
転職エージェントはサポート体制が強力で、魅力的なポイントがたくさんあります。長い時間をかけて転職活動を進めたいという人には転職サイトの方が向いているでしょうが、転職エージェントは、
・転職に不慣れな人
・自分の強みを知りたい人
・より良い求人と巡り合いたい人
の期待に応えることができる仕組みがあります。どちらにしようか悩んでいるのであれば、まずは転職エージェントを利用してみると良いでしょう。
Photo by Alvan Nee on Unsplash