「転職会議に書いてある情報はどこまで信じられるのか」「口コミの信憑性はどれほどなのか」と疑問に思う方も多いと思います。結論から言うと、転職会議には事実とは言えない口コミ情報も混ざってはいます。しかし、他のインターネット上の口コミに比べれば、その信憑性はかなり高いと考えられます。本記事では、転職会議の仕組みや評判・口コミに加えて、有効な活用方法を整理していきます。
転職会議とは
転職会議は、就職口コミサイト「就活会議」やアルバイト募集情報サイト「マッハバイト」などを運営する株式会社リブセンスによって運営されている転職関連の口コミ情報を提供するウェブサイトです。その基本情報については下記の通り。
求人情報 | 199,793件 |
口コミ登録企業数 | 172,908件 |
会員登録者数 | 700万人 |
履歴書添削 | なし |
面接対策 | なし |
形態 | 口コミサイト |
対象エリア | 全国 |
転職会議のメリット
まず、転職会議のメリットについて見ていきたいと思います。
国内最大級の転職に関する口コミ情報を閲覧できる
1つ目のメリットは、国内最大級の転職に関する口コミ情報を閲覧できることです。
転職会議を利用すれば、上場企業や大手企業はもちろんのこと、従業員数が数十名程度の中小・ベンチャー企業を含む73万社以上の口コミ情報を網羅的に収集することができます。求人広告を出しているほとんどの企業の口コミ情報にアクセスできると考えて良いでしょう。
6万件以上の求人検索が行える
2つ目のメリットは、6万件以上の求人検索を行うことができることです。
転職会議では、サイト内で紹介されている口コミ情報と共に、約3万社の求人検索が行うことができます。
上記のように、職種に加えて、勤務地から求人を検索することができます。
転職会議のデメリット
次に、転職会議のデメリットについて見ていきたいと思います。
会員にならないと口コミが閲覧できない
1つ目のデメリットは、会員にならないと口コミが閲覧できないことです。
登録手続きが完了すれば転職会議は自由に使えますが、「48時間」という利用時間の制限があります。時間制限なく利用するためには、自分自身も1件以上の口コミ(150文字以上)を投稿する必要があり、それをしない限りは口コミが閲覧できない仕組みになっているのです。
会員になる方法ですが、「Googleで登録」「Yahoo!JAPAN IDで登録」「Facebookで登録」「Twitterで登録」「メールアドレスで登録」の方法があります。
無料会員登録後、いくつかの質問に答えれば、口コミを閲覧できるようになります。
信憑性があてにならない口コミが混ざっている
2つ目のデメリットは、あてにならない口コミが混ざっていることです。
個人名が特定されることを恐れて、当たり障りのない口コミを投稿しているケースが時折見られます。実際、転職会議への登録から企業へのクチコミ投稿までのプロセスは個人的なプロフィール情報の入力は求められるものの、氏名や住所、電話番号など個人を特定できる情報は求められません。
メールアドレスについても、フリーメールで登録することができるため、実在する他者や架空の人物による「なりすまし」も可能です。また、仮に本人が実際に在籍していた会社の口コミであったとしても、虚偽のクチコミを投稿している可能性はゼロではありません。ただし、転職会議では掲載する口コミの信憑性を高めるために下記の対策を講じており、個人的にはそこまで悪質ななりすましは多くないという印象です。
■ 口コミを全件全文確認
転職会議では、毎日新たに投稿される約2,000件の口コミについて、システムでのチェックはもちろんのこと、専任チームによる目視での確認を全件行っています。
詳細については、こちらの「口コミ投稿ガイドライン」 を参考のこと。
■ やらせ・不正対策
転職会議では、企業のランキングや口コミの不正操作を防ぐため、システムと専任チームによる目視で不正ユーザーの動きを検出し、アカウントの停止・口コミ削除を行っています。
口コミの閲覧期限が決まっている
3つ目のデメリットは、口コミの閲覧期限が決まっていることです。無料会員登録の場合は、登録後の48時間で限られた件数の投稿しか見ることができません。全ての口コミを見るための方法としては、「口コミパス購入」「口コミ投稿」の2つがありますが、どちらも39日間という制限があります。
転職会議の評価点数は信用できるのか
転職会議では、企業ごとの評価点数やその点数によるランキングを提供しています。
転職会議の企業の評価点数は単純平均ではありません。ユーザーが投稿した点数を集計し、ユーザーが投稿した口コミ内容を、転職会議独自の評価アルゴリズムによって再評価を行い、その結果を企業の点数に反映しています。多くのユーザーの声を平等に反映するような算出方法を行っています。また、企業の評価点数は、随時更新を行っています。新たに投稿されたものの反映だけではなく、評価式の見直しなどにより、新規の投稿がなくても点数に変動が起こる可能性があります。
「知恵袋」「2ちゃんねる」との比較
転職会議のような口コミサイトは、他のインターネット上の情報より信憑性が高いと言えます。なぜなら、サイトの特性上、ユーザーが事実に基づいた正しい情報を投稿しようと思う仕組みが存在しているからです。
他のサイトよりも遥かに詳細なプロフィール登録が必要な転職会議のユーザーは、自身の体験を元にした価値のある口コミを投稿しようというインセンティブが働きます。
転職会議の退会方法
転職会議の退会方法については、ログイン後、退会ページにて手続きを行うことができます。
具体的には、下記のフォームに必要事項を記入していきます。
ただし、一度退会すると、退会後に会員機能を復旧すること/口コミの修正および削除ができなくなることを留意しておきましょう。
個人的には、仮に利用しなくなったとしても、無理に退会する必要はないのではないかと考えています。今後、転職活動を再開する時に備えて、会員登録を続けることをおすすめします。
転職会議以外のおすすめの転職サイト/転職エージェント
上記を踏まえ、転職会議以外のおすすめの転職サイト/転職エージェントを紹介します。転職活動で悩むことがある場合、下記の転職サイトや転職エージェントに所属しているキャリアアドバイザーに相談すれば、解決の糸口が見えてくるかもしれません
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職成功実績No.1の転職支援サービス。実績豊富な転職エージェントが業界最多の非公開求人から希望に沿った求人を紹介し、転職を成功に導いてくれることが特徴です。また、提出書類の添削や面接対策に加え、独自に分析した業界・企業情報の提供などの転職サポートも充実していることで知られています。
良い評判
・幅広い職種・業界の求人を保有している
・職務経歴書エディターで職務経歴書を簡単に作成できる
・Uターン転職にも強い
悪い評判
・キャリアアドバイザーの対応に差がある
・希望条件に合わない求人を紹介されるケースがある
・サポート期間は3ヶ月限定
詳細については、「リクルートエージェント 評判」を参照のこと。
dodaエージェント
日本最大級の紹介実績を誇ることで知られるdodaエージェント。運営はパーソルキャリア株式会社。非公開求人を含む10万件以上の求人から専門スタッフがぴったりの求人をご紹介。自分にあった仕事がわからないという場合に加え、キャリアの選択肢を広げたいというケースにも対応。履歴書・職務経歴書の書き方についてもサポートしてくれることが特徴です。
良い評判
・求人数が豊富である
・doda年収査定で自分の市場価値を把握できる
・レジュメビルダーで簡単に職務経歴書を作成できる
悪い評判
・求人の質が良くない場合がある
・キャリアアドバイザーのレベルにばらつきがある
・メール連絡がしつこい
詳細については、「dodaエージェント 評判」を参照のこと。
ビズリーチ
ビズリーチは、管理職や専門職、次世代リーダーなどの即戦力・ハイクラス人材に特化した国内最大級のハイクラス転職サイト。運営元はビジョナル株式会社。高年収の求人が豊富に用意されていることに加えて、優良企業や一流ヘッドハンターからビズリーチを通じてスカウトを受け取ることで、思いもよらない企業やポジションに出会えることが大きな特徴の一つです。有料課金しなければ利用できない機能もありますが、登録自体は無料でも可能です。
良い口コミ
・ハイクラス求人が豊富
・専門性の高いヘッドハンターが登録している
・自分と相性の合うヘッドハンターを選ぶことができる
悪い口コミ
・無料で利用できる範囲がわずか
・的外れな求人メールが送られてくる
・ヘッドハンターからの連絡がしつこい
詳細については、「ビズリーチ 評判」を参照のこと。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、完全無料で転職希望者の要望に沿った求人を紹介する20代〜30代の転職に強い転職エージェント。運営は株式会社マイナビ(東証一部上場)。20代に信頼されている転職エージェントNo.1の実績に加え、マイナビグループが誇る豊富な求人情報が大きな強み。各業界に精通した専任のアドバイザーが転職活動をサポートしてくれます。営業職・技術系職種・金融関連専門職種に強いことも大きな特徴です。
良い口コミ
・20代の転職サポートに定評がある
・キャリアアドバイザーのサポートに熱意がある
・中小企業の求人が豊富
悪い口コミ
・ハイクラス転職には向かないという意見も
・求人数はリクルートエージェントやdodaに劣る
・連絡の頻度が多すぎる場合がある
詳細については、「マイナビエージェント 評判」を参照のこと。
リクルートダイレクトスカウト(旧:キャリアカーバー)
リクルートダイレクトスカウト(旧:キャリアカーバー)は、人材業界最大手の株式会社リクルートが運営するハイクラス・エグゼクティブ限定の会員制転職サイト。ハイクラス・エグゼクティブ人材向けに、厳選した優良なヘッドハンターだけがサービスに登録していることが特徴で、会員登録完了後はスカウトを待つだけでOK。担当コンサルタントは自分で選ぶことができます。
良い口コミ
・ハイクラス求人が豊富
・優秀なヘッドハンターが多数登録している
・キャリアアドバイザーを自分で選ぶことができる
悪い口コミ
・急ぎの転職には不向き
・年収が低いと門前払いされる可能性がある
・ビズリーチに比べると求人数が少ない
詳細については、「リクルートダイレクトスカウト 評判」を参照のこと。
転職会議に関するQ&A
転職会議に関するQ&Aを整理しておきます。
転職会議の口コミは削除できる?
転職会議に口コミを投稿したユーザーが「過去に投稿した口コミを削除したい」と思っても、削除する事は基本的には不可能です。
実際、転職会議の「口コミ投稿ガイドライン」には、「口コミ投稿に関する注意事項」という項目が設けられており、そこには、「転職会議では口コミ投稿後の削除は受け付けていません」と明記されています。
口コミを書いた個人を企業側が特定して訂正を依頼してきた場合や事実とかけ離れた口コミを投稿してしまった場合は、下記の方法で転職会議の運営元に対して修正を依頼することができます。
1. 問い合わせフォームに名前とメールアドレスを記入する
2. 問い合わせ内容の欄に「再編集を希望する投稿の投稿ID」「再編集した投稿内容」「満足度」を記載する。
3. 記載内容に誤字脱字がないかを確認し、利用規約・個人情報保護に関する事項に同意した上で送信ボタンを押す。
転職会議に投稿された違法性のある口コミの削除依頼方法は?
「転職会議に自社に批判的な風評や虚偽情報が掲載されたら削除可能なのか」ということは企業側からすれば気になることだと思います。結論から言えば、転職会議にプライバシーの侵害等に該当する投稿がなされた場合、当該企業または企業の代理人となる弁護士が送信防止措置請求を行うことで、投稿を削除してもらう事ができます。投稿された口コミを削除したい場合は、問い合わせフォームから「投稿削除希望」の旨を連絡します。問い合わせの際は、Gmailなどのフリーメールのアドレスではなく、企業ドメインのメールアドレスを使用することを心掛けましょう。転職会議に投稿された口コミの削除申請を行う場合、下記の2種類の書類を用意する必要があります。
1. 侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書
2. 3ヶ月以内に発行された印鑑登録証明書
「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」については、転職会議側が指定するフォーマットで記入する必要があるので、問い合わせフォームから連絡し、あらかじめ書式を請求しておきましょう。
また、「口コミに記載された内容が虚偽であること」「虚偽の口コミが投稿された事で被害を被ったこと」を証明するための資料についてもあらかじめ用意しておくべきです。さらに、削除したい口コミが転職会議の利用規約や口コミ投稿ガイドラインのどの箇所に抵触しているのかを明確に説明できる状態にしておくと良いでしょう。
ちなみに、削除申請は、投稿の一部のみしか削除されない場合があります。具体的にどのような基準に基づいて「一部のみ削除」「全文削除」になるのかについては転職会議の運営元である株式会社リブセンスは公開していません。投稿全文の削除を依頼する場合は、申請の際に「投稿の全文が権利侵害にあたる可能性がある」という事を強調すること心掛けましょう。
違法性のある投稿の投稿主を特定して訴訟する手順は?
違法性のある投稿の投稿主を特定して訴訟する手順については、下記の通り。
手順①:IPアドレスの開示請求を行う
まず最初にIPアドレスの開示請求を行います。IPアドレスとは、インターネットに接続された端末に割り当てられた番号のことです。転職会議では登録時にメールアドレスが求められますが、Gmailなどで登録できてしまうため、転職会議の運営側は口コミを投稿した人物の住所や本名を把握しておらず、メールアドレスしか知らない可能性が高いため、本人を特定するにはIPアドレスの開示を受ける必要があるのです。
転職会議では、明らかな規約違反の場合は問い合わせフォームから問い合わせをすれば、削除に応じてくれることがあります。しかし、IPアドレスの開示請求は基本的には裁判所手続きが必要となります。この裁判所手続きは、裁判ではなく仮処分という手続きを取ります。裁判の場合は時間がかかる傾向がありますが、仮処分の場合は1~2か月程度で手続きが完了します。
費用については、投稿の内容や分量によって変化しますが、転職会議では1投稿当たり最低150文字以上を記載しなければならないので、その分、費用があがってしまう可能性があります。しかし、このような議論を素人だけで判断するのは難しいと思いますので、インターネットの誹謗中傷に強い弁護士に依頼することをおすすめします。
手順②:ログの削除禁止
手順①でIPアドレスを取得したら、投稿主が利用したプロバイダがわかります。プロバイダはIPアドレスを通じて投稿を行った投稿主の住所・氏名などのログを保有しています。しかし、プロバイダは永久にログを保存しているわけではなく、特に携帯回線などは保存期間は短いため、プロバイダに対してログの削除の禁止を依頼するために、また別の裁判手続きを行う必要があるのです。
ただ実際は、「今から投稿者特定の開示請求を出すので、ログを削除しないでほしい」旨の通知を出せば、事足りるケースが多いようです。ただ、この通知を行う場合も、該当の口コミがどのような違法性を抱えているのかの立証が求められます。こちらについても専門の弁護士に依頼すると良いと思います。
手順③:住所氏名開示請求
手順②でログの削除禁止依頼が完了したら、手順3ではプロバイダに対して投稿者の住所・氏名の開示を請求します。住所氏名開示請求は、正式な裁判手続きを取る必要があります。住所・氏名は個人を特定しうる重要な情報であるため、裁判所は正式な裁判手続きを経て違法と判断された場合にのみ開示命令を発出するのが一般的です。
手順④:損害賠償請求
手順③の住所氏名開示請求で勝訴した場合、投稿者が投稿を行ったプロバイダ回線の契約者の住所氏名が開示されます。特定した投稿者に対して一連の手続きで生じた弁護士費用や慰謝料などを請求することも可能です。つまり、投稿者の特定に成功し、損害賠償で弁護士費用を補填できれば、被害者に金銭的な負担は発生しないのです。
最後に
転職会議を利用すれば、様々な企業の内情を知ることができます。これに加えて、転職エージェントに登録すれば、さらにリアルな企業の情報を収集することができます。どの転職エージェントでも基本的に無料で利用できるので、さらに深い情報を知りたい場合は、転職エージェントに登録してみることをおすすめします。
画像出典:転職会議 公式サイト