転職エージェントは無料で利用できて、尚且つキャリアアドバイザー（運営元により呼び方は異なる）のサポートを受けながら転職活動ができる便利なサービスです。しかし、一見するとデメリットがないように見えるため、逆に「胡散臭い」と感じる人も多いのではないでしょうか。実際、「胡散臭い」と感じられても仕方がない転職エージェントも中には存在します。上記を踏まえ、本記事では、転職エージェントは実際に胡散臭いのか、そして実際の利用者はどんなことを感じたのかを整理していきます。

・転職エージェントって胡散臭くて利用する気にならない
・世間の「胡散臭い」という噂は本当なのか知りたい
・転職サイトだけで十分なのではないか

上記のような疑問や考えを持っている人は、是非、最後まで読んでみて下さい。

世間が胡散臭いと思う理由と実態

転職エージェントの仕組みを理解していないと、様々な部分が「胡散臭い」と感じてしまうでしょう。そのため、まずは世間が転職エージェントは「胡散臭い」と思う理由とその実態をご紹介します。

利用料が無料

転職エージェントでは、求職者の利用料金は基本的に無料です。有料サービスを組み込んでいる転職エージェントもありますが、ごく一部で、ほとんどの転職エージェントでは無料で全てのサービスを提供しています。無料と聞くと、「ボランティアでもないのに何故なのか」「利益はどうなっているのか」などの疑問が沸いてきます。実は、どこかでお金を請求されるのではないかと不安になることもあるでしょう。転職エージェントは、れっきとした営利企業のため、運営資金なしには成り立ちません。その運営資金の出所は、求職者ではなく企業なのです。転職エージェントは、求職者を企業の内定まで持っていくことにより、紹介料・仲介手数料として、企業からお金を受け取っています。そのため、求職者からはお金を請求せずに運営することができているのです。

転職サイトだけで十分なんじゃないか

転職サイトは、運営元も数多くあり、求人数も豊富に存在します。そのため、「転職エージェントなんて使う意味がないのではないか」と感じる人がいます。しかし、転職エージェントには特有のメリットがあります。それがキャリアアドバイザーの存在と非公開求人です。キャリアアドバイザーは、履歴書や職務経歴書の書類添削、面接対策、求職者のヒアリングや求人紹介を主におこなってくれます。そのため、書類選考や面接に自信のない人には大きな助けになります。そのため、一人で転職活動を進めるよりもスムーズな転職活動ができるでしょう。

そして、非公開求人の存在も大きいです。非公開求人とは、求人案件上に記載されていないもので、一般に優良企業や大企業が多く、穴場な求人と言えます。非公開求人はキャリアアドバイザーの紹介でのみ知ることができるため、転職サイトの登録だけでは出会うことができない求人とマッチングすることが可能です。 

成果ばかり気にしていそう

転職エージェントのキャリアアドバイザーは、ノルマがあるところも多く、尚且つ成果報酬型であるため、成果を気にする人もいるでしょう。しかし、大半のキャリアアドバイザーは親身になって対応してくれることが多く、成果の為に転職を強制したり急かしたりすることはありません。可能性としてですが、ノルマ以外で考えられることとして、企業側に急かされているケースがあります。もしも強制や急かすことがあれば、何故そうしているのかを聞いてみましょう。

相手のペースに流されそう

自分のペースで転職活動ができず、相手の流れに持っていかれるのではないかと不安になることもあるでしょう。もちろん、転職サイトを利用するよりは、キャリアアドバイザーという人間が関わっているため、自分だけのペースで進めるわけにはいかなくなります。それに、転職エージェントには利用期間が3ヶ月と定められているところが多く、半年などの長い期間をかけて転職をしたい人からすれば、自分のペースでできないと感じるでしょう。しかし、基本的に最初に定められた期間内であれば自由にできますし、登録してすぐに転職を急かされるということはありません。

結果的にお金の支払いが発生しそう

内定確定時の仲介料や内定を取り消した時の違約金などが発生しないかと不安になる人は多いでしょう。しかし、仲介料は企業から転職エージェントに支払われるものなので、求職者からお金を請求することはありません。対して違約金ですが、こちらは法律上利用者に請求してはいけない決まりとなっているため安心です。転職エージェントを利用する場合、なにかしらの原因で求職者が金銭を支払うという可能性はないため、安心して利用することができます。

胡散臭い転職エージェントの特徴

ただ、実際にサイトを開いてみると胡散臭く感じてしまう転職エージェントも存在します。それは、以下のような転職エージェントです。

サイトに広告がたくさんある転職エージェント

サイト上に、読みづらくなるほどたくさんの広告があったり、優良企業のバナー画像を載せている転職エージェントは胡散臭い可能性があります。サイトの実態を明かさずに広告やバナー画像で誤魔化したり、見にきた人を安心させようという企みが見えてきてしまいます。

ホームページにスタッフの紹介がない転職エージェント

ホームページ上に、代表者や役職者、キャリアアドバイザーなどの紹介文がなかったり、紹介文はあるけど写真がなかったりすると中々信用はできません。これから付き合っていく会社となるわけですから、やはり相手の顔や情報はわかるところのほうが良いでしょう。

公式サイトに実績が記載されていない転職エージェント

公式サイトを開くと、トップに実績が記載されている転職エージェントがある反面、なんの実績も記載されていないところも少なくありません。どちらを選ぶかと言われたら、大半は実積掲載のある転職エージェントを選ぶでしょう。

胡散臭くない・信用できる転職エージェントの特徴

胡散臭くない・信用できる転職エージェントの見分け方は

・対応によって電話とメールを使い分ける
・レスポンスが早い
・希望に沿った求人を紹介してくれる
・転職を急かさない
・案件以外の相談も聞いてくれる
・業界や企業に詳しい

などの条件が挙げられます。やはり「転職活動をする上での信用ができるのか」「人間としての信用ができるのか」という部分は非常に重要です。連絡が早く返ってきたりするのは当然ながら印象が良いものです。また、すぐに電話してこないということも重要です。電話ということは、相手の時間を確実に止めてしまう行為なため、ちょっとした報告程度でも電話をしてくるキャリアアドバイザーは仕事ができない場合が多いでしょう。また、キャリアアドバイザーの中には転職に関する悩みを聞いてくれる人もいます。周りには言えない悩みを話せることは、重要なポイントです。

転職エージェントの利用をおすすめできる人の特徴

転職エージェントをおすすめできる人にはいくつかの特徴があります。以下でご紹介します。

第三者の視点からの意見が欲しい

転職エージェントに登録すると、専任のキャリアアドバイザーから有用なアドバイスをもらうことができます。キャリアアドバイザーは業界に対する深い知見を持っており、求職者にとってプラスになるアドバイスをもらうことができるでしょう。年齢ごとの平均年収や自身の経歴やスキルから向いている仕事の紹介など、データや経験に基づいて色々と教えてくれるため、自分のことを理解するという意味でもメリットがあります。

履歴書や職務経歴書の添削をして欲しい

書類選考に苦手意識がある場合、履歴書や職務経歴書の添削をしてくれるというのは有難いポイントです。「何故かわからないけど書類選考で落ちることが多かった」なんて人はアドバイスをもらって書き直してみるといいでしょう。また、自分では得意だと思っていても実際にプロが見てもらうと全然印象が違うことがあります。「こんなことを書いても意味がない」と思っていた経験がプロの転職エージェントにヒアリングされる中で大きな評価ポイントなのだとあらためて認識するケースも少なくないようです。

面接対策をして欲しい

ほとんどの人が経験が浅く苦手意識も強い面接対策ですが、転職エージェントが採用企業の特性を非常に良く理解している場合もあります。その場合、内定の確率は格段にアップすることでしょう。

非公開求人を紹介して欲しい

非公開求人とは、企業側の意向で公開をしていない（掲載されていない）求人です。非公開求人には優良企業も少なくなく、独占求人とされていて世の中に出回らないことも多いです。企業側としては良い人材を紹介してもらえるように非公開求人にしていることが多いため、担当のキャリアアドバイザーから非公開求人を紹介された場合は能力の高さを認められていると考えることもできるでしょう。紹介してもらえた場合は、内容を確認して積極的にチャレンジすることをおすすめします。

スカウト機能を利用したい

スカウト機能のある転職エージェントを利用することにより、登録とプロフィールの設定などをしておけば、求人を探さなくても企業側からオファーがくることがあります。スカウト機能のメリットは、企業側からのオファーを待つだけなので転職活動に割く時間を大幅に減らせるというところです。しかし、スカウトを得るには相応の実力が必要であることも理解しておきましょう。

転職エージェントの利用をおすすめできない人の特徴

転職エージェントの利用をおすすめできない人の特徴をご紹介します。

自分のペースで転職活動を進めたい

転職エージェントを利用した場合、キャリアアドバイザーとのやりとりが発生するため、自分のペースだけで転職活動を進めることはできません。そのため、わざわざカウンセリングなどの時間を設けたりしなければいけないため、まとまった時間が取れない時などは不便でしょう。

期間の縛りがあるのは避けたい

転職エージェントには、期間の縛り（リクルートエージェントの場合、3ヶ月間）があるところが多いです。

キャリアアドバイザーと相性にリスクを感じる

これはあらゆる転職エージェントに言えることですが、求職者とキャリアアドバイザーの相性が悪い場合、転職活動がうまく進みません。人として合わないなどもありますが、希望条件と異なる職種の求人ばかりを紹介されたりすることが続くのであれば、運営会社に伝えて担当者を変更してもらうことを考えましょう。

転職エージェントに対する疑問

転職エージェントは、未だ内容がよくわからず利用を敬遠している人もいるでしょう。そこで、よくある疑問とその回答をご紹介します。

転職エージェントと転職サイトの違いは？

転職エージェントと転職サイトは、どちらも転職活動をするために利用するものですが、全く違う機能がいくつかあるのです。お互いの比較を下記でご紹介します。

転職エージェント

転職エージェントは対人型のサービスを提供してくれます。呼び方は運営している企業により異なりますが、「キャリアアドバイザー」「キャリアカウンセラー」などという名前の転職活動をサポートしてくれる人がいることが特徴です。キャリアアドバイザーが担当としてサポートをしてくれることにより、転職に不慣れな人や、自信のない人は精神的にも楽になるでしょう。また、非公開求人の存在も転職エージェントならではです。転職エージェントではウェブサイト内で求人の閲覧をすることができますが、実は運営会社が保有している求人案件はそれだけではありません。多くの転職エージェントは一般には公開されていない非公開求人を抱えています。非公開求人の詳細については、キャリアアドバイザーからの紹介で知ることができます。登録した転職エージェントの独占案件やなかなか見つからないような希少求人を紹介してもらえる可能性もあります。

転職サイト

転職サイトの場合、自分自身で求人の閲覧や応募を行うため、自分のペースで求人案件を探せます。気に入った求人があったら、ウェブサイト経由で手軽に応募できるというところも魅力的です。

登録するための条件は？

転職エージェントでは、ほぼ全ての運営会社が登録に条件はありません（一部例外はあります）しかし、登録できるのと案件を紹介してもらえるのはまた別問題です。例えば、ハイクラスやハイキャリア向けの求人を紹介していたり、スカウトとしておこなっている転職エージェントに、なんの実績もない20代前半が登録をしても案件は紹介してもらえないでしょう。そのため、登録するのは自由だけど、しっかりと自分に合った転職エージェントを選ぶのがポイントとなります。年齢や希望職種、スキルなどが、自身とある程度マッチしている転職エージェントを複数登録するのが失敗しないための方法です。

転職期間はどのくらい？

個人の熱意や、どの転職エージェントを利用するかにもよりますが、基本的には2ヶ月ほどで転職まで至っている人が多いです。転職エージェントは大半がサポート3ヶ月となっており、これは転職活動に時間をかけすぎるのはよくないという判断の元、定めている期間です。そのため、遅くとも3ヶ月以内には内定をもらえる人がほとんどですが、転職エージェントを利用する人はサポートを受けながら現職の退職もスムーズにできるため、それよりも早い2ヶ月ほどの人が大半となっています。

【最新版】おすすめの転職エージェント

上記を踏まえ、おすすめの転職エージェントを整理します。

リクルートエージェント

国内有数の転職エージェントとして知られるリクルートエージェントは、業界トップクラスの求人数を誇ることで知られています。過去45万人以上の転職成功実績をもとに、プロのキャリアアドバイザーが履歴書／職務経歴書などの書類添削や面接対策まで徹底対策してくれます。国内最大級の転職エージェントということもあって、拠点の数も多いので、地方在住の方でも安心して利用することができます。

dodaエージェント

パーソルキャリア（旧：インテリジェンス）が手掛ける「dodaエージェント」は、「リクルートエージェント」や「マイナビエージェント」と並んで国内最大級の転職エージェントとして知られています。約10万件の求人情報から求職者の希望にマッチした求人をプロのキャリアアドバイザーが紹介してくれます。「何から始めれば良いかわからない」「自分の強みがわからない」といった悩みがある場合は、登録してみると良いでしょう。

マイナビエージェント

マイナビエージェントは「20代に信頼されている転職エージェントNo.1」の実績とマイナビグループが誇る豊かな求人情報を強みとする転職エージェント。マイナビエージェント経由でしか応募することができない独占求人の数も多いので、一度、登録してみると良いでしょう。

パソナキャリア

パソナキャリアは、業界トップクラスの求人数を誇る転職エージェント。運営は株式会社パソナ（東証一部上場）。オリコン顧客満足度調査第1位に選出されている。求人件数は5万件以上。転職後の年収アップ率は67.1%を誇る。高い専門性を備えた専任の転職エージェントによる転職サポートが魅力。

【最新版】おすすめの転職サイト

さらに、おすすめの転職サイトを整理します。

リクルートダイレクトスカウト（旧：キャリアカーバー）

リクルートダイレクトスカウト（旧：キャリアカーバー）は、人材業界最大手の株式会社リクルートが運営するハイクラス・エグゼクティブ限定の会員制転職サイト。ハイクラス・エグゼクティブ人材向けに、厳選した優良なヘッドハンターだけがサービスに登録していることが特徴。会員登録完了後はスカウトを待つだけでOK。担当コンサルタントは自分で選ぶことができる。

ビズリーチ

ビズリーチは、管理職や専門職、次世代リーダーなどの即戦力・ハイクラス人材に特化した国内最大級のハイクラス転職サイト。運営元はビジョナル株式会社。高年収の求人が豊富に用意されていることに加えて、優良企業や一流ヘッドハンターからビズリーチを通じてスカウトを受け取ることで、思いもよらない企業やポジションに出会えることが大きな特徴の一つである。

JACリクルートメント

JACリクルートメントは、管理・専門職、ミドル・ハイクラスのための転職エージェント。運営は株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント（東証一部上場）。約800名のプロフェッショナルが転職をサポート。また、国内大手、外資系、海外進出企業などの厳選求人を多数揃えていることが特徴である。

アサイン

アサインは、コンサルティングファームをはじめとして、経営企画や事業開発、営業職などのハイエンド向け転職支援サービスを展開している。運営は株式会社アサイン。確かな実績をもつキャリアアドバイザーと日本初のAIキャリアシミュレーション「VIEW」で求職者のキャリアを徹底サポートしてくれる。特に20代～30代のハイエンド転職に強い。

iX転職

iX転職は、パーソルキャリア株式会社が運営するハイクラス向けの転職サイト。年収1,000万円以上の非公開求人を多数取り扱っていることが特徴の一つ。厳選されたヘッドハンターがキャリアの選択肢を適切に提案してくれる。また、「クラウドキャリアコーチ」を活用すれば、第三者との対話を通じてキャリアに関する悩みを解消することができる。

AMBI

AMBIは、株式会社エンジャパンが運営する若手ハイクラス人材向けの転職サイト。年収500万円以上の案件が多数。職務経歴書を元にした三段階評価によって、選考通過の可能性がわかることが大きな特徴。登録しておけば職務経歴書を見た企業やヘッドハンターからスカウトを受け取ることができる。

最後に

転職エージェントは、胡散臭いと思う人も多いですが、実際には確立されたビジネスモデルを通じて世の中に広く受け入れられているサービスです。人間同士の関わりがあるため、不満や胡散臭さを感じてしまうこともあるでしょう。しかし、実際にはそれ以上に満足し、転職に成功している人が大勢います。必要に応じて、活用すると良いでしょう。

Photo by Diana Polekhina on Unsplash