多くの求職者にとって【転職エージェント】はとても頼りになる存在です。しかし、転職エージェントにサポートしてもらったからといって必ずしも転職に成功する訳ではありません。むしろ希望条件に沿う求人案件を紹介されなかったり、担当のキャリアアドバイザーと相性が合わないようなケースもあります。ただ、頑張ってくれたキャリアアドバイザーに対して「辞退したい」と言い出すのはなかなか勇気がいるもので、人間関係に支障をきたさないような上手い断り方はないかと悩んでいる方も少なくないと思います。本記事では、転職エージェントの断り方をいくつかのケース別にお伝えさせて頂きます。
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転職エージェントの断り方 – メール例文付きで解説 –
転職エージェントからの案件の断り方をメール例文付きで解説します。
ケース①:サービス登録後に面談を断る
サービス登録後に転職エージェントとの面談を断る場合の断り方を整理します。この場合に伝えるべきことは、面談をキャンセルしたことに対するお詫びです。伝える方法としては、電話もしくはメールがおすすめです。メールで断る場合の文面としては、下記を参考にすると良いでしょう。
お世話になっております。先日、貴社サービスに登録させて頂きました〇〇と申します。大変恐縮ですが、諸般の事情により、今回は面談をキャンセルさせて頂きたいと考えております。お忙しい中、面談日程をご調整頂いていたにもかかわらず、こちら側の都合で大変申し訳ありません。また機会がございましたら、何卒宜しくお願い申し上げます。
ケース②:面談後にサービス提供を断る
次に、キャリアアドバイザーと面談を実施したものの、面談後にサービス提供を断る場合の断り方を整理します。この場合に伝えるべきことは、
- お詫び
- 面談の時間を取って貰ったことへの感謝の気持ち
- サービス提供を断る理由
の3点です。伝える方法としては、電話もしくはメールが考えられますが、個人的には電話が良いと思います。メールで断る場合の文面としては、下記を参考にすると良いと思います。
お世話になっております。この度は、お忙しい中、貴重なお時間を頂きまして、有難う御座いました。実は、現在、複数社の転職エージェント様と面談をさせて頂いておりまして、様々な条件を勘案した結果、今回は別の転職エージェント様にお世話になることに決めました。せっかく面談して頂いたにもかかわらず、申し訳ありません。中途半端なやり取りになってしまってはお互いにとって良くないと考えまして、このような形でご連絡させて頂いた次第です。こちら側の都合で大変申し訳ありませんが、何卒宜しくお願い致します。
ケース③:エージェントからの求人紹介を断る
次に、転職エージェントに紹介してもらった求人案件を断る場合の断り方を整理します。「せっかく求人を紹介してもらったのに断るなんて申し訳ないし失礼なのではないか」と思うかもしれませんが、興味がないのに無理に応募したところで、結局は、転職エージェントや求人先企業に迷惑をかけてしまうことになります。応募したくない場合は、はっきりとその意思を担当のキャリアアドバイザーに対して伝えましょう。伝えるべきことは、
- 求人紹介への感謝の気持ち
- 求人応募したくないこと
- 求人に応募したくない理由
です。伝え方は電話もしくはメールがおすすめです。メール文面としては、下記を参考にすると良いでしょう。
お世話になっております。この度は、お忙しい中、様々な優良な求人案件をご教示頂きまして、有難う御座います。頂いた求人案件について、入念に検討致しましたが、今回は応募をご遠慮させて頂きたいと考えております。理由としては、面談時にお伝えさせて頂いた◯◯という希望条件については十分に満たしていると考えているのですが、◯◯の部分が私の希望するイメージとややズレているためです。大変恐縮なのですが、上記のポイントを考慮した上で、再度、求人をご紹介頂けると幸いです。お忙しい中、大変恐縮ですが、何卒宜しくお願い致します。
ケース④:選考途中で選考を断る
さらに、選考途中で選考を辞退したい場合の断り方を整理します。考え方が変わったり、転職エージェントにやや強引に応募を出されてしまったり、色々な事情があると思います。この場合についても、無理に選考を進めたところで誰も得をしないため、当該求人に興味がない旨をキャリアアドバイザーに対して率直に伝えることを心掛けましょう。ただ、キャリアアドバイザーが応募先の企業に既に連絡を入れてしまっているケースが多いと思うので、この場合は特に誠意を持って謝罪する必要があります。伝えるべきことは、
- 選考途中で辞退することへの謝罪
- 選考を辞退する理由
です。伝える方法としては、電話もしくはメールが考えられますが、電話の方が望ましいと思います。メール文面としては、下記を参考にすると良いでしょう。
お世話になっております。いつも丁寧なサポートを頂きまして、有難う御座います。大変恐縮なのですが、現在、面接の調整をして頂いている◯◯社の応募を辞退させて頂きたく、ご連絡致しました。理由としては、面談時には、◯◯ということで求人を紹介して頂きましたが、その後、色々と考えた結果、今後は◯◯を重視して転職活動を進めていきたいと考えるに至ったためです。◯◯社については、◯◯の観点で私のキャリア上の方向性とズレていると考えたため、今回は、大変恐縮ながら辞退させて頂けると幸いです。応募後ということもあり、企業様にも大変ご迷惑をおかけしてしまいまして、大変申し訳御座いません。大変恐縮ですが、何卒宜しくお願い致します。
ケース⑤:既に設定された面接を断る
既に日程が設定された面接の断り方を解説します。面接を断る理由としては、「他の企業に入社することを決めた」「調べていくうちに希望と異なることに気づいた」「転職活動自体を休止することにした」のいずれかの場合が多いと思います。このような場合の断り方のポイントとしては、
- 面接日程確定後に辞退することへの謝罪の気持ち
- 面接を辞退する理由
の2点です。伝え方は電話もしくはメールが考えられますが、できれば電話で伝えることをおすすめしたいと思います。丁寧に対応することで、転職エージェント側から「せっかく面接を設定してもキャンセルする求職者」と思われてしまわないように気をつけましょう。メール文面としては、下記を参考にすると良いでしょう。
お世話になっております。大変恐縮ですが、XX社の面接を辞退させて頂きたく、ご連絡を差し上げました。あらためて自身の人生についてよく考えた結果、転職を通じてXXを実現したいと考えるようになりまして、その点でA社が最適解とは言い切れない部分があると考えました。お忙しい中、日程調整をしてもらったにもかかわらず大変失礼なのは重々承知ですが、ご辞退させていただけますでしょうか。大変申し訳ございません。
ケース⑥:既に獲得した内定を断る
既に獲得した内定を断るのは、他社で内定が出た場合/内定を得たものの入社する気になれなかった場合などが考えられます。このようなケースにおいて押さえておくべきポイントは、
- 内定後に辞退することへの謝罪
- 辞退する理由
です。伝え方としては、電話した上でメールで伝えることを強くおすすめします。理由としては、内定を出してくれた企業に対して、誠意を示すためです。誠実な社会人としての態度を常に念頭に置きましょう。メール文面としては、下記を参考にすると良いと思います。
お世話になっております。◯◯です。先程はお忙しい中、お電話にてお時間を頂きまして、有難う御座いました。先日内定を頂きました◯◯社様につきまして、評価して頂いている中で大変恐縮では御座いますが、辞退させて頂きたくご連絡をさせて頂きました。実は、別の転職エージェント様経由で応募していた◯◯社から内定を頂きまして、そちらの会社に入社を決めたことが理由です。今後、自分が取り組みたいことなどを様々な観点から熟考し、◯◯社に入社を決めました。◯◯社の皆様には大変お世話になりましたので、今回の件について、お詫びと感謝の旨をお伝え頂けると幸いです。また、◯◯様にはここまで転職のサポートをして頂きまして、大変感謝しております。本当に有難う御座いました。大変恐縮ですが、今回は内定を辞退させて頂くことを、何卒ご容赦頂ければ幸いです。
ケース⑦:求人紹介をストップする
転職エージェントからの求人紹介をストップする場合の断り方を解説します。これは具体的には転職活動を休止したい場合などが挙げられます。この場合は電話ではなくメールで大丈夫です。伝えるべきは、
- 今までのサポートへの感謝
- 求人紹介を休止したい理由
です。メール文面としては、下記を参考にすると良いと思います。
お世話になっております。◯◯です。いつも丁寧なサポートを頂きまして、有難う御座います。大変恐縮ですが、求人の紹介を一旦ストップしていただけますでしょうか。転職活動を進めていく中で、このまま転職活動を進めていいのか不安に思い、あらためて自分自身のキャリアを考え直したいと思ったためです。転職活動を再開する際には、あらためてご連絡をさせていただきます。当方の勝手な都合で大変恐縮ですが、何卒よろしくお願い致します。
ケース⑧:サービスを退会する
最後に、サービスを退会する場合の断り方を整理します。退会する方法としては、
- 問い合わせフォームから連絡
- キャリアアドバイザーに直接メール
があります。多くの場合、転職エージェントのマイページから問い合わせフォームに記入することで退会が可能です。転職エージェントに直接メールしても良いと思います。メール文面としては、下記を参考にすると良いと思います。
お世話になっております。〇〇で御座います。いつもご丁寧なサポートを頂きまして、有難う御座います。諸事情がありまして、転職活動をストップすることになりまして、退会させて頂きたく、ご連絡を差し上げました。また転職活動を再開することがあると思いますので、その際は是非ともご支援の程宜しくお願い致します。大変恐縮ですが、ご理解頂ければ幸いです。何卒よろしくお願い致します。
ただし、実は、そもそも退会する必要がないケースがほとんどです。個人的には、転職エージェントは登録だけでもしておく価値があると思います。仮に良い求人が見つからなかったとしても、時間が経てば良い求人案件が見つかる可能性もあるからです。なので、あえて退会する必要はないという考え方もあると思います。
おすすめの転職エージェント
上記を踏まえ、個人的におすすめの転職エージェントを紹介します。転職活動で悩むことがある場合、下記の転職エージェントに所属しているキャリアアドバイザーに相談すれば、解決の糸口を提供してくれるかもしれません。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職成功実績No.1の転職支援サービス。実績豊富な転職エージェントが業界最多の非公開求人から希望に沿った求人を紹介し、転職を成功に導いてくれることが特徴です。また、提出書類の添削や面接対策に加え、独自に分析した業界・企業情報の提供などの転職サポートも充実していることで知られています。
良い評判
・幅広い職種・業界の求人を保有している
・職務経歴書エディターで職務経歴書を簡単に作成できる
・Uターン転職にも強い
悪い評判
・キャリアアドバイザーの対応に差がある
・希望条件に合わない求人を紹介されるケースがある
・サポート期間は3ヶ月限定
詳細については、「リクルートエージェント 評判」を参照のこと。
dodaエージェント
日本最大級の紹介実績を誇ることで知られるdodaエージェント。運営はパーソルキャリア株式会社。非公開求人を含む10万件以上の求人から専門スタッフがぴったりの求人をご紹介。自分にあった仕事がわからないという場合に加え、キャリアの選択肢を広げたいというケースにも対応。履歴書・職務経歴書の書き方についてもサポートしてくれることが特徴です。
良い評判
・求人数が豊富である
・doda年収査定で自分の市場価値を把握できる
・レジュメビルダーで簡単に職務経歴書を作成できる
悪い評判
・求人の質が良くない場合がある
・キャリアアドバイザーのレベルにばらつきがある
・メール連絡がしつこい
詳細については、「dodaエージェント 評判」を参照のこと。
ビズリーチ
ビズリーチは、管理職や専門職、次世代リーダーなどの即戦力・ハイクラス人材に特化した国内最大級のハイクラス転職サイト。運営元はビジョナル株式会社。高年収の求人が豊富に用意されていることに加えて、優良企業や一流ヘッドハンターからビズリーチを通じてスカウトを受け取ることで、思いもよらない企業やポジションに出会えることが大きな特徴の一つです。
良い口コミ
・ハイクラス求人が豊富
・専門性の高いヘッドハンターが登録している
・自分と相性の合うヘッドハンターを選ぶことができる
悪い口コミ
・無料で利用できる範囲がわずか
・的外れな求人メールが送られてくる
・ヘッドハンターからの連絡がしつこい
詳細については、「ビズリーチ 評判」を参照のこと。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、完全無料で転職希望者の要望に沿った求人を紹介する20代〜30代の転職に強い転職エージェント。運営は株式会社マイナビ(東証一部上場)。20代に信頼されている転職エージェントNo.1の実績に加え、マイナビグループが誇る豊富な求人情報が大きな強み。各業界に精通した専任のアドバイザーが転職活動をサポートしてくれます。営業職・技術系職種・金融関連専門職種に強いことも大きな特徴です。
良い口コミ
・20代の転職サポートに定評がある
・キャリアアドバイザーのサポートに熱意がある
・中小企業の求人が豊富
悪い口コミ
・ハイクラス転職には向かないという意見も
・求人数はリクルートエージェントやdodaに劣る
・連絡の頻度が多すぎる場合がある
詳細については、「マイナビエージェント 評判」を参照のこと。
リクルートダイレクトスカウト(旧:キャリアカーバー)
リクルートダイレクトスカウト(旧:キャリアカーバー)は、人材業界最大手の株式会社リクルートが運営するハイクラス・エグゼクティブ限定の会員制転職サイト。ハイクラス・エグゼクティブ人材向けに、厳選した優良なヘッドハンターだけがサービスに登録していることが特徴で、会員登録完了後はスカウトを待つだけでOK。担当コンサルタントは自分で選ぶことができます。
良い口コミ
・ハイクラス求人が豊富
・優秀なヘッドハンターが多数登録している
・キャリアアドバイザーを自分で選ぶことができる
悪い口コミ
・急ぎの転職には不向き
・年収が低いと門前払いされる可能性がある
・ビズリーチに比べると求人数が少ない
詳細については、「リクルートダイレクトスカウト 評判」を参照のこと。
転職エージェントの断り方に関するQ&A
転職エージェントの断り方に関するQ&Aを整理します。
選考中に退会しても良いのでしょうか?
選考中でも退会は基本的には可能です。書類選考を通過したからといって、必ずしも一次面接に行かなければならないわけではありません。こういったことは転職エージェント側としても良くある話だったりしますので、それほど大きな問題ではありません。ただし、必要最低限の礼儀をわきまえた態度を心掛けましょう。
退会した場合、個人情報は削除されますか?
転職エージェントに登録した場合、退会したとしても、個人情報は法令に基づいて約2年間保管されます。保管期間が経過した後は、個人情報は速やかに削除されます。できるだけ早く個人情報を削除したい場合は、担当のキャリアアドバイザーに伝えるか問い合わせフォームから問い合わせすると良いでしょう。
転職エージェントと相性が合わないので辞めたいです
転職エージェントと相性が合わない場合は、担当者の変更を申し出ることができます。また、別の転職エージェントに登録してみることも可能です。
転職エージェントを休止したいのですが?
転職エージェントを休止したい場合は、担当者にその旨を伝えると良いでしょう。担当者に直接話すのがきまずい場合は、問い合わせフォームなどから連絡を試みると良いでしょう。
面接辞退をしようとしても転職エージェントがしつこいです
転職エージェントも企業側に辞退の理由を説明する必要があるので理由については伝えた方が親切ですが、その後の強引な引き止めに対しては取り合わなくても問題ありません。転職エージェントとしても無駄な時間はかけたくないでしょうし、エージェントが「これは無理そうだ」と思うくらいにきっぱりと断ることを意識しましょう。
最後に
今回は、転職エージェントの断り方をいくつかのケースに分けて整理しました。いずれの場合でも心掛けるべきは、サポートして頂いたことへの感謝と誠意ある謝罪を忘れずに伝えることだと思います。社会人としてのマナーを踏まえた上で、礼儀正しく断りの旨を伝えるようにすると良いでしょう。
Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash